難しいと思っていた「割合」を克服しよう!!
今回は、「割合」について、考えてみましょう。
小学生が、算数でつまずくことが多い単元に、「割合」があります。
では、「割合」の問題を分かりやすく、解説します。
【問題】
次の計算式の答を求めなさい。
『私の学年全体の52%が男子生徒で、男子生徒は156人います。学年全体の人数は?』
【考え方】
今回も、「分かりにくい」問題を、「分かりやすい」問題に変換しましょう!!
52%を、中途半端な割合ではなく、例えば、1/2(半分)として考えましょう!!
『私の学年全体の1/2(半分)が男子生徒で、男子生徒は156人います。学年全体の人数は?』
ここでは、「1/2(半分)」という「割合」に変換しましたが、「0.5」でも、「5割」でも大丈夫です。
自分で、最も、分かりやすい「割合」に変換してみましょう。
今度は、この状態を図に表してみます。
こうすると、答えは、簡単ですよね。
156 × 2 = 312
ちょっと、待って下さい。
確かに、答えは合っていますが、計算式には、問題に登場しない「2」を使っています。
「分かりやすく」変換した問題
⇒ 『私の学年全体の1/2(半分)が男子生徒で、男子生徒は156人います。学年全体の人数は?』
(問題文には、「1/2」はありますが、「2(倍)」という数値は使われていません!!)
これでは、この計算式を「分かりにくい」問題に当てはめることが出来ません。
そこで、「156」と「1/2」を使った計算式になるように、考え直してみましょう。
156 × 2 = 156 ? 1/2
さて、「?」に当てはまるのは何でしょうか?
ここで、思い出してほしいのが、「ある数で割る」ことと「その逆数を掛ける」ことの関係です。
○の□倍と、〇を1/□で割った値は、同じ結果になるということです。
つまり
156の2倍と、156を1/2で割ることは、同じことであることが分かります。
それでは、元の問題に、この計算式を当てはめてみましょう。
《分かりやすい問題》
『私の学年全体の1/2が男子生徒で、男子生徒は156人います。学年全体の人数は?』
→ 156 ÷ 1/2
《分かりにくい問題》
『私の学年全体の52%が男子生徒で、男子生徒は156人います。学年全体の人数は?』
→ 156 ÷ 52%
やっと、計算式を導くことが出来ましたが、このままでは計算出来ません。
そうです。「52%で割る」を、同じ割合を表すものに、置き換えないと計算出来ません。
156 ÷ 52% → 156 ÷ 0.52 = 300
【Dr.Keiのワンポイント・アドバイス】
今回も、「分かりにくい」問題を、「分かりやすい」問題に変換することで、難しいと思っていた「割合」の考え方を説明しましたが、「割合」の問題を解く上で、大事なポイントがあります。
それは、「割合」には、いろんな表し方があるということです。
「割合」の問題を克服するには、「割合」を「少数(0.5)」「分数(1/2)」「歩合(5割)」「百分率(50%)」のどれにでも置き換えられることが重要です。
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