「順列」と「組合せ」
前回は、「場合の数」 とは何か!? について説明させて頂きましたが、今回は、「場合の数」 のうち、「順列」と「組み合わせ」について、説明したいと思います。
「順列」
異なるn個の並べることを「順列」といいます。
「組み合わせ」
異なるn個を取り出す(だけの)ことを「組み合わせ」といいます。
つまり、「順列」は”並べる”わけですから、n個の”順番”が異なる場合は別のケースとして捉えますが、「組み合わせ」は、”取り出すだけ”ですから、n個の”順番”が異なっても同じケースとして捉えます。
【順列の問題】
「1」から「9」の9枚のカードから、2枚のカードを使って作れる2桁の数字は何通り?
【考え方】
今回も、実際にカードを使って考えてみましょう。
まず、「十の位」に9枚のカードから、1つのカードを選んで、置いてみましょう。
このように、「十の位」の選び方は、「9通り」ですね。
では、「十の位」に「2」のカードを選んだ場合、次はどうなるでしょう?
すでに、「2」のカードは選ばれていますから、この場合の選び方は、9枚のカードから「2」を除いた「8通り」ですね。
では、このようにして、9枚のカードから2枚を使ってできる2桁の数字は、全部で何通りあるか考えてみましょう。
【組合せの問題】
「青」「赤」「黄」「緑」の4つのボールの入った袋から、2つのボールを取り出した時、2つのボールの色は何通り?
【考え方】
今回も、実際にボールを使って考えてみましょう。
まず、4つのボールが入った袋から、1つ目のボールを取り出してみましょう。
1つ目のボールの色は、「青」「赤」「黄」「緑」の4通りです。
では、1つ目のボールが「赤」だった場合、2つ目のボールの色は何通りでしょうか。
2つ目のボールの色は、「青」「黄」「緑」の3通りです。
つまり、4つのボールの入った袋から、2つのボールを取り出した時、2つのボールの色は
ちょっと待ってください。今回の問題は、「袋から2つのボールを取り出したの場合、その色は何種類?」という問題ですが、「青」−「赤」の組合せと「赤」−「青」の組合せは同じですよね。
この問題は、「組合せ」の問題ですから、2つのボールの順番が違っても同じケースとして扱う必要があります。
ちなみに、この計算式の「÷2」は、2つのボールを順番に並べる場合の数(2×1)を意味しています。
整理すると、この問題は、「4つのボールのうち2つを並べる場合の数(順列)」を「2つのボールを並べる場合の数(順列)」で割ることで求めることが出来るのです。
【
Dr.Keiのワンポイント・アドバイス】
「順列」と「組合せ」の違いと、それぞれの考え方、分かりましたか?
「順列」
(意 味) 異なるn個から、r個を並べることを「順列」といいます。
(ポイント) ”並べる”場合、つまり、順番の違いを別のケースと考える場合は「順列」
「組み合わせ」
(意 味) 異なるn個から、r個を取り出す(だけの)ことを「組み合わせ」といいます。
(ポイント) ”取り出すだけ”の場合、つまり、順番の違いを同じケースと考える場合は「組み合わせ」
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