「食塩水の問題」に挑戦してみよう!!
今回は、「食塩水の問題」に、挑戦してみましょう。
但し、中学入試を想定して、”方程式を使わずに”、「食塩水の問題」を解きます。
さぁ、皆さんは、この問題を解くことが出来ますか!?
【問題】
10%の食塩水200gに16%の食塩水を何g混ぜると、14%の食塩水になりますか?
【解き方のポイント】
食塩水の問題を解く場合も、やはり、絵を描いてみること重要です。
絵を描くと、この問題に登場する「水」と「食塩」と「食塩水」の重さや濃度の関係が分かりやすくなりました。
次に、食塩水の問題を解くために重要な3つのポイントをご紹介しましょう。
1つ目のポイントは、「○%の食塩水☆g」という表現から、「食塩水の状態を正しく理解すること」です。
この例では、「10%の食塩水200g」とは、どのような状態の食塩水であるかを理解することです。
「10%の食塩水200g」とは、「食塩水200gに溶けている食塩は全体(200g)の10%である」ということと同じことを意味しています。
これが理解できると、この食塩水に何gの食塩が溶けているかを求めることが出来ます。
200(g) × 10(%) = 20(g)
これで、この絵の黄色い部分で表した食塩は、20gであることが分かりました。
2つ目のポイントは、「食塩水」と「食塩」と「濃度」の関係には、一定の法則(公式)があるということです。
1つ上の式から
「食塩水の重さ(g)」 × 「濃度(%)」 = 「食塩の重さ(g)」
という法則(公式)があることが分かります。
さて、最後のポイントが、最も難しいところです。
中学生以上であれば、この状態を方程式に表すことで、答えを求めることが出来ます。
加えた食塩水をa(g)とすると
(200 + a) × 0.14 = 20 + 0.16a
a = 400(g)
であることが分かります。
ところが、小学生では、方程式を扱えませんので、全く、別の考え方が必要です。
まずは、下の絵を見て下さい。
この絵は、それぞれの食塩水に溶けている食塩だけを表したものです。
次に、これらの食塩を均等にするという考え方をします。
つまり、下の図のように濃度が濃い16%の食塩を、濃度の薄い食塩に移すことで、同じ14%の濃度にするという考え方です。
この考え方が、食塩水の問題を解くのに、最も、重要なポイントです。
では、この問題を解いてみましょう。
この状態を、「=」を使った式に表すには、この中から同じものを見つけることです。
そうです!! この問題で同じものは、移した食塩の重さです。
従って
200 × 4(%) = ? × 2%
? = 400(g)
であることが分かります。
【Dr.Keiのワンポイント・アドバイス】
今回の「食塩水の問題」には、いくつものポイントがありましたので、それを整理しておきましょう。
「食塩水の重さ(g)」 × 「濃度(%)」 = 「食塩の重さ(g)」(公式)
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