「速さ」の問題を克服しよう!!
「速さ」の問題。苦手なお子様が多い単元です。
特に、「速さの文章題」となると、解く前から、あきらめてしまっていませんか?
では、苦手な「速さの文章題」を克服しましょう!!
【問題】
次の計算式の答を求めなさい。
ひろし君の学校は、自宅から3kmのところにあります。ある朝、ひろし君は、8時ちょうどに自宅を出発し、自宅から1kmのコンビニまで時速3kmで歩きましたが、このままでは、遅刻しそうなので、その後、コンビニから学校まで、走っていき、始業時間ギリギリの8時30分に、学校に着きました。
さて、ひろし君が、コンビニから学校まで、どんな速さで走ったでしょうか。(分速で答えなさい)
【考え方】
「速さの文章題」を解く時には、必ず、「線分図」を書きましょう!!
「速さ」の問題を解くには、上記のように、「線分図」を書き、そこに、分かっている「距離」と「速さ」と「時間」を書いていきます。
そうすることで、「分かりにくい」問題を「分かりやすい」問題に変換することができます。
又、今回の問題では、「時刻」を書いておくことも、大事なポイントです。
次に、「距離」と「速さ」と「時間」の中で、問題に、直接、書かれていない値を埋めていきます。
@コンビニから学校までの距離
3 − 1 = 2
A自宅からコンビニまでの時間
普通は、ここで、「速さ」の問題を解くための「公式」を使うところですが、この教室では、「公式を覚える」ことは、おススメしません。「公式は導き出す」ものです。
では、自宅からコンビニまでの時間を考えてみましょう!!
1kmの距離を、時速3kmの速さで歩くと、何分かかるか?
これは、「何分」、つまり、「時間」を求める問題ですから、そのためには、「距離」と「速さ」をどうすれば良いかを考えます。
「速さ」の問題で、「距離」と「速さ」と「時間」のどれかを求めるには、残る2つを使って求めます。この場合は、「時間」を求めるのですから、「距離」と「速さ」を使います。
では、「距離」と「速さ」をどうすれば良いのか?
そのためには、やはり、「分かりにくい」問題を「分かりやすい」問題に変換することです。
例)
6kmの距離を時速2kmで歩くと何分かかるか?
→ 時速2kmとは、1時間に2km進む速さのことですから
6(km) ÷ 2(km/時) = 3(時間)
このことから、6(距離)を2(速さ)で割ると時間が求められることが分かります。
「距離 ÷ 速さ = 時間」。
これが、「公式を導く」ということです。
少し、寄り道しましたが、これで、やっと、「1kmの距離を、時速3kmの速さで歩くと、何分かかるか?」を解くことができます。
「距離 ÷ 速さ = 時間」なので、1 ÷ 3 = 1/3(時間)
但し、この問題では、時間は分で表されていますから、1/3時間は、20分に直しておきましょう。
Bコンビニに着いた時間
8:00 + 0:20 = 8:20
Cコンビニから学校までの時間
8:30 − 8:20 = 0:10
これで、「線分図」の中で、分からなかった値が、すべて、求められましたので、これを、「線分図」に書き足しましょう。
ようやく、この文章題の答を求める準備が整いました。
「2kmの距離を10分で走る速さ(分速)は?」
2(km) ÷ 10(分) = 0.2(km/分) = 200(m/分)
【Dr.Keiのワンポイント・アドバイス】
今回は、「速さの文章題」を考えてみましたが、 「分かりにくい」問題を「分かりやすい」問題に変換するために、「線分図」を書いてみました。
これは、「速さの文章題」だけではなく、算数や数学、更には、理科(化学や物理)などの他の科目にも、適用することができます。
「難しい」と思ったら、「簡単にする」ことを試してみて下さい。そのためには、「絵に描いてみる」ことほど、有効な方法はないのです。
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